夕凪SO BLOG

2021/05/15

【BBT】史上初、<baseball>のルールブックを作ったのは〇〇人?


皆さまごきげんよう!夕凪SO BLUE PRクリエイターの新平です。 今回は【BBT(BASEBALL TRIVIA)】の2回目になります。 BBTは野球に関する雑学、豆知識をお伝えすることで、少しでも野球のおもしろさを知って頂こうという趣旨の企画です。

           

第2回目のBBTは、『史上初、<baseball>のルールブックを作ったのは〇〇人?』というテーマでお話していきたいと思います。 前回は、<baseball>という言葉が登場する最も古い文献は、1744年のロンドンで刊行された『リトル・プリティ・ポケットブック』だったというお話をさせて頂きました。

※前回分を読まれていない方は、よろしければこちらからどうぞ(笑)


今回は、歴史上で初めて<baseball>のルールが活字化されたのはいつで、誰が作成し、どういったルールだったのか、ということをお伝えしていきたいと思います。


前回と同じく、『ベースボール進化論:旧石器時代から大リーグまで』(佐伯泰樹著)を参考図書にしております。


結論から言います。 1796年にドイツ人である、ヨハン・クリストフ・フリードリヒ・グーツムーツが『青少年と彼らを指導する教師のためのスポーツ・ガイド大全』という書物で<baseball>のルールを解説したのが初めてです。


ドイツ人!?


これはまた意外なところからきましたね。グーツムーツという方は残念ながら存じ上げません。1796年頃のドイツ人というと、ベートーベンくらいしか知りません(笑)ベートーベンの難聴が始まったのが28歳の1798年と言われていますので、交響曲第5番『運命』もまだこの世に生まれていない時代ですね。


この時代のドイツ、というかヨーロッパはゴタゴタにゴタゴタが重なってもうわけがわかりません。誰か詳しい人教えてください(笑) 形だけとは言え、まだぎりぎり神聖ローマ帝国が残っている時代(ベートーベンは神聖ローマ帝国生まれ)だし、でも現在のドイツの首都であるベルリンを統治しているのはプロイセン王国だし。ロシアまで出てきてポーランドとかの領土奪い合っちゃうし。1789年からフランス革命が起きるし。なんかナポレオンがめっちゃ攻めてくるし。 そんな中でもこういった書物が刊行されるということは、スポーツに興じることができる生活が成り立っていたということなのでしょうか。


とまぁ、時代背景はこのくらいにして、ドイツで活字化された史上初の<baseball>ルールとはいったいどういったものだったのでしょうか。



簡潔に言うと、トスバッティング×ドッジボール

『青少年と彼らを指導する教師のためのスポーツ・ガイド大全』の中では、英国式ベースボール(das englische Baseball)について7ページにわたってルール説明がなされています。 簡単に説明するならば、トスバッティングとドッジボールを混ぜ合わせたようなスポーツだったようです。


・・・はい?トスバッティングはまだ理解できるとしても、ドッジボールって。嫌な予感がしますが、詳しくみていきましょう。


●フィールド状況

・ベースは3~4.5mずつ離して配置する。

・守備側のプレイヤーとベースの数を同数に設定する。従って、チームの人数が増えればベースの数も増え、フィールドも広くなる。

・ピッチャーとバッター間は5歩もしくは6歩の距離をとる。


●基本的なプレー

・バッターはホームベースあたりに立ち、バットをボールに当てるまで、3回スイングすることができる。

・ピッチャーはバッターに対し、山なりのボールを投げる。

・打球が飛ぶと、バッターはベースからベースへ決められた順に(反時計回り)走り、ホームに戻ってくることを目指す。

・1アウトで攻守交代となる。


一旦ここまでにして、現代の<baseball>と比較してみましょう。


【現代の<baseball>と同じところ】

・三振の概念があること(おそらく)。

・ベースからベースに反時計回りに走り、最終的にはホームへの帰還を目指すこと。

・アウトの規定により攻守交代がなされること。


【現代の<baseball>と違うところ】

・ベースの数が固定ではなく、プレイヤーの人数に応じて変動すること。

・バッターを抑えるためにピッチャーがいるのではなく、バッターに打たせるためにピッチャーがいること。

・攻守交代が3アウト制ではなく、1アウト制であること。


投手の概念が違うものの、様式としては現代の<baseball>に近いですね。攻守交代に必要なアウトカウントも違いますが、トスバッティングに近いため、アウトになる確率が現代よりも低かったためでしょう。 では、次に気になるのがどうやったらアウトになるかですね。三振の概念があったと推測される記述はありましたが、それ以外のアウトの取り方をみていきましょう。 大まかに言って、3つの方法があるようです。

①守備側がボールを捕球する(フライアウトのことか?)。

②走者がベースを踏み忘れる。

③ベースについていないランナーにタッチするかボールをぶつける。


でてきましたね。「ボールをぶつける」ことでアウトを取る。これが、先ほど言ったドッジボール的な要素です。現代には存在しないルールですね。 しかし、ここで終わりではありません。ここからのルールがもっとすごいので、続けます。


守備側がアウトを取っても、チェンジになるとは限らない。


いや、ちょっと何言ってるかわかんないです。アウト取った意味はどこに? ・・・色々とツッコミどころがありますが、とりあえず先に進みましょう。


攻撃側はたとえアウトになっても、守備側プレイヤー全員がフェアグランドから出るまでに、ボールを拾って守備側のプレイヤーにタッチするかボールをぶつけることができれば、攻撃を続行する権利を得ることができる。


付いて来れてますか?(笑) 以上が、今から220年ほど前に書かれた<baseball>のルールです。 正直、阿鼻叫喚の地獄絵図しか想像できないんですけど。 アウトを取るためにランナーめがけて全力でボールを投げる守備陣。しかし、避けられたが最後、どこまでも転々と転がっていくボール・・・。

選手A「早くボール取りに行けよ!」

選手B「お前が投げたんだからお前が取りに行けよ!」

選手A「バックアップに入ってないお前が悪いんだからお前が行けよ!」

みたいなやりとりが繰り広げられていたのではないでしょうか。


そして、運よくランナーにボールを当てることができたと思ったら、攻守交代させまいとする敵チームが猛然と追いかけてきて、こちらに向かってボールを投げてくる始末。


えっと、全然やりたくないです(笑) これはちょっと想像が極端すぎましたね。おそらく、タッチアウトが基本で、タッチだとちょっと届かないときに軽くボールを投げてランナーに当てる程度だったのだと思います。 知らんけど(笑)


これらがドイツ特有のローカル・ルールだったのか、イギリスやアメリカなどその他の国や地域でも採用されていたスタンダード・ルールだったのかは、残念ながら確証は得られませんでした。(わかったら別の機会にご紹介したいと思います) とはいえ、<baseball>黎明期の様子を知る上で貴重な文献であることは間違いありません。 調べたところ、筑波大学、日本体育大学、福島大学の3つの図書館に貴重書扱いで所蔵されているようです。・・・見たい!(笑)


それはさておき、今後も<baseball>の歴史をたどり、どのような過程を経て今の形になっていったのかをみていきたいと思います。


ということで、歴史上で初めて<baseball>のルールを活字化したのは【ドイツ人】であった、というお話でした。答えとしてはちょっと意外でしたね。こうなると、現在のドイツ野球がどうなっているのか気になりますね。ドイツだけでなく、各国の野球事情も今後取り上げていきたいと思います。 それでは今回もありがとうございました!

街に野球がある景色を100年先にも


      

     

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