夕凪SO BLOG

2021/010/3

Field of dreams


Tomorrow the New York Yankees will play the Chicago White Sox at the “field of dreams”in Iowa.

8月12日の午前中だったか。Scottからこんなメッセージが届いて、その日の夜、私は映画“field of dreams”を観たのだった。1989年公開の映画で主演はケヴィン・コスナー。アイオワ州の田舎町で暮らす貧乏農家の男が、生活の糧である自身のトウモロコシ畑を切り開いて自作の野球場(field of dreams)を作るというストーリーだ。その野球場で起きる出来事や、主人公の男が誰の声に導かれたのか?なぜその球場を作ったのか?詳細は是非映画を観てほしい。

今回、MLBはこの“field of dreams”の映画の撮影で実際に使われたアイオワ州のトウモロコシ畑の中に、8000人収容の野球場を本当に作ってしまった。そして、そこでニューヨーク・ヤンキースとシカゴ・ホワイトソックスの公式戦を開催してしまったのだから恐れ入る。

Scottからのメッセージをきっかけに、私はMLBのこの企画を知り、翌日(8月13日の午前8時)のプレーボールをテレビの前でそわそわしながら待っていた。すでに野球場のライトフェンスの一部が取り払われており(取り外し可能な簡易フェンスだ)、ライトフェンスの先に生い茂ったトウモロコシ畑の中から、1人の男がゆっくりと野球場に足を踏み入れた。そして、こう言うのだった。

”Is This heaven?”(ここは天国か?)

現れたのは映画で主演を務めたケヴイン・コスナー。そして、コスナーの登場に続いてトウモロコシ畑からヤンキースとホワイトソックスの選手たちが続々とグラウンドに入場してくる。スタンドからは割れんばかりの、しかし少し温かみのある歓声が上がる。大人たちの中に静かに眠った少年の心が呼び覚まされるような演出であった。

演出のみでなく、試合もとても素晴らしい好ゲームだった。9回の裏、1点ビハインドのランナー1塁からホワイトソックスの1番打者ティム・アンダーソン(超いい選手!!)がバットを一閃。ライトのトウモロコシ畑に消えるツーラン・ホームランを放って、ホワイトソックスが劇的なサヨナラ勝ちを納めた。

少年の頃の私は、MLBの試合をワクワクしながら観ていた。中学生・高校生の時、私の憧れの選手だったケン・グリフィーJrはシンシナティ・レッズに所属していた。NHKの中継は日本人選手の所属するチームを中心にしか中継を行わないため、レッズの試合がTV中継されることは滅多に無かった。稀にその試合が中継される時には、夜中の2時、明け方の4時であってもアラームをセットして起き、彼のプレーを食い入るように観ていた。(しかし、私はリアルタイムでグリフィーのホームランを一度も観ることは出来なかった)

私は今回の試合をそんな少年時代を思い出すようにして観ていた。(今はMLB.TVを契約すれば30球団のすべての試合を観ることができる。何て素晴らしい時代なのか。)トウモロコシ畑の中に作られた球場は選手とスタンドの距離が近く、球場のほかに回りにトウモロコシ畑以外には本当に何もないのだ。

その上、ナイター照明も通常のスタジアムに比べて随分と控えめで、さながら田舎の草野球のナイターのような薄暗さ。少年時代に父親に連れられていった、中学校のグラウンドで行われていた草ソフトボールのナイターを思い出した。

少し手を伸ばせば、自分もこの場所でプレーができるんじゃないか?そう思わせるような場所、距離、観衆の前で世界最高峰の選手たちが実に楽しそうにBaseballをプレーしている。Baseballの原点を見たような気がした。

映画の中でかつてのホワイトソックスの選手、ジョー・ジャクソンは「やっぱり、野球はいい。野球ができなくなった時、体の一部を失ったような気持ちだった」と言った。「球場のにおいを感じ、芝生を足に感じる。球を打つ音、におい。ボールかクローブを顔に近づけたことはあるかい?」と彼は続けます。

野球場の匂い、芝生の感触。

あの硬式野球ボールの感触、グローブの皮の匂い。

初めてグローブを買って、ボールをキャッチした時の感触が忘れられない。野球は確かに9人が集まらなくては試合ができない。しかし、最小人数は2人だ。2人でただただキャッチボールをする時間。それが本当に幸福な時間だったと思う。

そんなことを思い出させてくれるのがこの“field of dreams”だった。



街に野球がある景色を100年先にも







     

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